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棟梁の目線 vol.2

「屋根下地材から考えるリスク回避」

鈴木工務店の鈴木です。
今回は普段目の届きにくい屋根にまつわるお話です。
家づくりにおいて、雨風に常にさらされる屋根をどうのように作るかは、大雨や強風などの自然災害への対策としてだけでなく、家を長持ちさせるためにもとても大切なことです。
特に屋根の下地材など目に見えない箇所だからこそ、しっかりとした施工をすることが重要となってきます。

事例:(有)ビル環境センター 様 事務所新築工事

施工期間:2021年4月~2021年8月(予定)
施工方法:在来工法

一枚板だからこその強み

「無垢の杉材」を屋根の下地材として使用

一般的にはコスト面や手間などを考え、ベニヤ合板やコンパネ、構造用合板など薄い板を接着剤で張り合わせたものを使うことが多いです。
低コストで決まった規格もあり、工期短縮などのメリットがある反面、経年による雨水の侵入などが起きた場合には、水を含んでふやけてしまうという可能性があります。(下地材がふやけると接合しているビスが抜けやすくなります)
その点、無垢の杉材などの一枚板の場合はそういったリスクが少ないのです。
決まった規格があるわけではないので、作業量は増えますが、住む人を雨風から守ってくれる屋根を丈夫なものに仕上げるには有効な方法となってきます。

一枚一枚貼っていくため作業量は多くなります

屋根下地材を雨水から守る下葺き材

改質アスファルトルーフィング下葺き材
「PカラーEX+」(田島ルーフィング㈱)

屋根下地材を雨水から守るための防水シートとして採用している下葺き材。
一般的なアスファルトと比較して耐流動性・耐摩耗性・耐剥離性・基材との付着性・たわみ追従性などが優れている「改質アスファルト」を材料に採用。
耐久性も通常のアスファルト下葺き材が10年程度のところ、PカラーEX+は20年程度と大幅に延ばすことができます。
合成繊維不織布の効果により、引張引裂強度の向上し、寸法安定性も高いのが特徴です。
上位性能の高級品と比べて、性能・コストの両面に秀でている建築材です。

垂木と軒桁を強力に接合

「タルキックⅡ」(㈱タナカ)

屋根下地材を支える垂木を軒桁、母屋、棟木と接合させる金物。
先端のビス加工の効果で抜けにくく、公財・日本住宅・木材技術センターによる耐力試験で通常のひねり金物と同等以上の耐力があります。

台風などの強風時、屋根が飛ばされる状況では屋根と一緒に垂木ごと飛ばされてしまうケースがあり、そういった被害防止の効果が期待されます。

「備えあれば憂いなし」

強風や大雨などの自然災害の発生は予測はできませんし、予測できたとしてもその時点からの対処となると限界もあります。
せっかく新しく家を建てるなら、その段階でできる限りの対策をしておくのも家を長持ちさせるコツなのかもしれません。

過度な心配はする必要はありませんが、費用対効果の高い建築資材を用いて家を建てておくといざという時に後悔しないようにできますよね。

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