棟梁の目線 vol.7
「外壁下張材の役割」
鈴木工務店の鈴木です。
今回はモルタルやサイディング仕上げの外壁工事の際に使用する外壁下張材についてお話します。
事例:(有)ビル環境センター様 事務所新築工事
施工期間:2021年4月~2021年8月(予定)
日本で広く普及したモルタル外壁
日本の戸建木造住宅で広く採用されている工法として、モルタル仕上げがあります。
セメントと砂と水を混ぜ合わせて作られるモルタルですが、職人による自由度の高い施工が可能で、モルタル外壁は目地がないため見た目が美しく高級感のある仕上がりになることもモルタル外壁の特徴です。
また構造の外に何層にも塗り重ねるため、断熱性や遮音性にも優れています。
防火性も高く1950年に建築基準として外壁の防火性が求められるようになり、洋風建築も多くなっていたことから日本で広く普及しました。
モルタルの弱点から建物を守る
モルタルは「ラス」と言われる網をタッカーなどで固定した上に塗り重ねるのですが、乾燥収縮や建物の動き等により、ヒビ割れや剥がれが発生することがあります。
このヒビ割れや剥がれた部分から雨水が屋内へ入り込むのを防ぐ役割をしているのが外壁下張材です。
モルタル壁用下張材
「ダブルベスト」(田島ルーフィング)
今回の新築外壁工事で使用した田島ルーフィング㈱の「ダブルベスト」は、一般的に原紙にアスファルトを染み込ませた防水紙(アスファルトルーフィング)に比べ、アスファルトにゴムや合成樹脂などを混ぜて耐久性を向上させた「改質アスファルト」と合成繊維不織布を使用しています。
一般的なルーフィングと比べ、寿命も20年程度と長寿命で優れた強度を持っている商品です。
また寸法安定性も高くステープル留めができるなど施工性も優秀で、効率的な工事が可能で人件費削減にも効果が期待されます。
一言で外壁下張材といっても様々な種類があり、どれを選ぶかで外壁の寿命が変わってきます。
価格の安いものから高機能で高価なもの。たくさんある種類から予算や将来的な補修などを考えてコストパフォーマンス的にバランスのいい商品を選択することが大切です。
新しく家を建てる際にはそういったポイントにも気を付けて建材選びをすることをおすすめします。
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